トレーニングプログラムを作成するとき、
限られた時間の中でどのような種目を取り入れるか、
逆にどの種目を実施しないか、
いつも悩ましいですよね。

全体のバランスも考えつつ、
特に強化したい部分には力を入れ、
その上で時間内に終わらせて…など
様々なことを考えなければならないと思います。

そういった時には、
あらかじめ種目をある程度カテゴライズしておくと
プログラム作成時に決断が楽になります。

今回は
トレーニングプログラムのカテゴライズについて
お話します。

全面性の原則

トレーニングの原則の1つに
『全面性の原則』があります。

これは広い意味を持ちますが、
ウエイトトレーニングにおいては
全身の筋肉をバランス良く鍛えるということにも
あてはまるでしょう。

例えば、
上半身の前面ばかりを鍛えると、
肩甲骨が前方に引っ張られ
(外転した姿勢がクセになり)円背姿勢が
クセづいてしまうかもしれません。

腹筋群のトレーニングが不足しており、
腰部ばかりを鍛えると、
それにより腰椎の前弯が過剰に
強調されてしまうかもしれません。

またいくら上半身の筋力が強くても、
地面から大きな力を伝える下半身がないと、
上半身の筋力も活かされませんよね。

そういったことにならないためにも、
全身バランス良く鍛える必要があります。

それが
パフォーマンス向上と
怪我の予防にも繋がると考えられます。

エクササイズのカテゴリ

あらかじめエクササイズを
いくつかのカテゴリに分類し、
各カテゴリからバランスよく選択をすることで
自然とバランス良く
種目を並べられるようにしておくと、
トレーニングプログラム作成が
いくらか楽になります。

例えば、
トレーニングプログラムを作成する際に、
以下のようにカテゴリ分けをしてみます。

パワー系種目

スナッチやクリーン、ジャンプスクワットなど、
中程度の負荷でのパワートレーニングです。
ジャンプトレーニング等もここに分類可。

下半身スクワット系種目

股関節、膝関節両方を使う種目です。
スクワットだけでなく、
ブルガリアンスクワットなどの片脚系の種目も
ここに分類されます。

下半身ヒンジ系種目(ハム系種目)

RDLのように、
股関節主働でハムストリングの伸長が大きい種目は
ここに分類します。
ノルディックハムは膝主働の種目ですが、
RDL同様にハムストリングがターゲットであり、
動作は似ていないものの、
ノルディックハムストリングの実施は
ヒンジ系種目の筋力にも転移するという
報告もあるので、ここに分類しています。

下半身補助種目

ヒップスラストやマシンを用いた
単関節運動の種目はここに分類しています。
ランジは扱う重量もそこまで大きくないので
ここに分類していますが、
スクワット系種目に分類しても良いかもしれません。

上半身プッシュ系種目

ベンチプレス、ミリタリープレスなど、
上肢で重りを押す種目です。
上腕三頭筋、大胸筋、三角筋あたりが
ターゲットになります。

上半身プル系種目

懸垂、ラットプルダウンなど、
引く方向に力を出す種目です。
上腕二頭筋、広背筋などがターゲットになります。

上半身補助種目

マシンやダンベルを用いた単関節種目です。

腹筋系種目

あえて『体幹』ではなく『腹筋』としているので、
体幹部後面の筋力はスクワットや
デッドリフトで鍛えられるものの、
それらだけでは刺激が不足する
『腹筋群』を強化する必要があるからです。
通常の腹筋運動やプランクなどは
ここに分類されます。

まとめ

今回紹介した
カテゴライズのようなものを用いると、
トレーニングプログラム作成も容易になりますし、
種目の取りこぼしも少なくなると考えられます。

是非ご自身なりのカテゴリ分けを
作成の参考にしてみてください!

参考文献
1. Bourne, MN, Duhig, SJ, Timmins, RG, Williams, MD
     Opar, DA, Al Najjar, A, et al. Impact of the Nordic hamstrin
     and hip extension exercises on hamstring architecture and
     morphology: Implications for injury prevention.
     Br J Sports Med 51: 469–477, 2017.