『ヒップヒンジ』という用語をご存知ですか?
『ヒップ』は股関節、
『ヒンジ』は蝶番という意味です。
蝶番はよくドアに取り付けられている金具で、
開閉をスムーズにするためのものです。
※蝶番は下記画像のような金具です。
つまり
『ヒップヒンジの動きを獲得する』と言うと、
“股関節を蝶番のように折りたたむことが
出来るようになる“ということになります。
実はこのヒップヒンジは、
非常に重要な動きであると考えられ、
ウエイトトレーニングにおいても
まずアスリートに獲得させたい動きになります。
今回は「ヒップヒンジ」について
お話したいと思います。
ヒップヒンジの動きができないとどうなるのか?
このヒップヒンジの動きが出来ないと、
他の関節の負担が増える可能性もあります。
例えば、
スクワット動作において
ヒップヒンジが出来ない場合、
- 腰椎の屈曲
- 膝主働の動き
といったような動きがクセづいてしまい、
怪我の可能性も高まってしまいます。
また、
ヒップヒンジが獲得出来ていないと、
競技中の動きだけでなく
ウエイトトレーニング中にも
身体には大きな負担がかかります。
そのため、このヒップヒンジは
早い段階から獲得しておきたい要素になります。
ヒップヒンジを獲得するための種目
ヒップヒンジを獲得するための
代表的な種目として、
RDL(ルーマニアンデッドリフト)が
挙げられます。
これは通常のデッドリフトとは異なり、
膝を軽度屈強位で固定したまま、
股関節屈曲(ヒップヒンジ)の動きで
バーを上下させる種目です。
このエクササイズでは
ヒップヒンジを獲得するのに有効であるうえに、
ハムストリングに長い筋長で
負荷をかけられるため、
柔軟性や筋線維束長増大にも効果的です。
その結果、
筋力強化だけでなく肉離れ予防や
筋の収縮速度向上も期待できます。
一方で、
中にはこのエクササイズを指導しても、
なかなかヒップヒンジの感覚を
つかめない選手もいる場合があります。
その場合は、片脚RDLの実施がおすすめです。
『両脚でのエクササイズが
うまく出来ないのに片脚のエクササイズ?』
と思うかもしれませんが、
ヒップヒンジの獲得に関しては、
片脚RDLのほうが容易に習得できると
考えられます。
両脚RDLでの代表的なエラー動作は、
股関節ではなく腰部が屈曲してしまうことです。
一方で片脚RDLであれば、
後ろの遊脚を持ち上げる意識で実施すれば、
自然と骨盤の前傾が誘導され、
軸脚の股関節の屈曲が可能になります。
「バランスをとるのが難しい!」
という場合もあると考えられるので、
その時は壁などに手を当てて、
バランスをとりながら実施するのもありでしょう。
まとめ
ヒップヒンジの獲得は、
怪我をしないためにも
パフォーマンス向上のためにも必須の要素です。
一般的に、エクササイズの難易度は
両脚エクササイズ<片脚エクササイズ
とされていますが、
獲得させたい要素によっては
導入の順番を逆にすることも非常に有効です。
選手のレベルによって、
柔軟なアプローチをしていきましょう!
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