「アスリートに身体づくりは必要である!」
という意見に反対する人はいないでしょう。
では具体的に
『身体づくりとは何か?』を考えたとき、
どのようなものが言えるでしょうか?
端的に答えるとしたら、
除脂肪体重(≒筋肉量)の増加が
その1つでしょう。
身体のコンタクトが必要な競技では、
体重が重いほうがその点では有利です。
しかし体脂肪で体重を増加させてしまうと、
そのせいでスピードや持久力は
落ちてしまいますよね。
そうなるとやはり体脂肪ではなく、
除脂肪体重での体重増加が必要でしょう。
物体に力を加えるスポーツ
(野球、陸上投擲など)においても、
除脂肪体重の増加は必須です。
筋断面積が増加することで最大筋力も向上し、
その力を使いこなすことで
パフォーマンスが向上すると考えられます。
このように様々なスポーツにおいて
身体づくり≒除脂肪体重の増加は必須と
考えられますが、
除脂肪体重は増やせば増やすほど
良いのでしょうか?
今回は
除脂肪体重増加のメリットとデメリットについて
述べていきます。
除脂肪体重増加のメリットとデメリット
先ほども紹介した通り、
除脂肪体重が増えることで、
物体(ボールなど)や相手選手に加える力は
強くなります。
また除脂肪体重増加に伴い、
最大筋力(特に体重に対する最大筋力)が
増加すれば、
スピードやジャンプ力向上にも
つながると考えられます。
しかし、
ある一定のラインを超えると
除脂肪体重の増加が
体重比筋力向上に結び付かなくなるのではないか
(除脂肪体重増加が体重比筋力に与える
ポジティブな影響にはプラトーがある)とも
考えられます。
一方で除脂肪体重の増加のデメリットとしては、
体重に対する最大酸素摂取量の低下が挙げられます。
この『体重に対する最大酸素摂取量』は
マラソンランナーや
クロスカントリースキーヤーなどで非常に高く、
この数値が高いほど
持久的なパフォーマンスは優れている傾向があり、
非常に重要な要素です。
先ほど紹介した
『体重に対する最大筋力(最大筋力/体重)』に
関しては、
除脂肪体重の増加は『最大筋力/体重』の
分母が増えてしまうというマイナス面もあれば、
間接的に最大筋力を向上させるという
プラスの面もあります。
そのプラスの面がマイナス面を上回れば、
体重に対する最大筋力も向上すると考えられます。
しかしながら最大酸素摂取量に関しては、
除脂肪体重の増加は、
最大酸素摂取量/体重の分母の増加には
大きく関わる一方で、
最大酸素摂取量自体の大幅な向上は見込めません。
そのため、マラソン的な単純な持久力は
低下してしまうと考えられるのです。
メリット・デメリットの総括
除脂肪体重の増加のメリット・デメリットは、
以下のものが挙げられます。
メリット
除脂肪体重の増加のメリットは以下のものが
挙げられます。
- ボールなどの物体に加えられる力の増加
- 相手選手に加えられる力の増加
(コンタクトが強くなる) - 最大筋力/体重が増加することで、
スピードやジャンプ力の向上(プラトーあり?)
デメリット
除脂肪体重の増加のメリットは以下のものが
挙げられます。
- 最大酸素摂取量/体重が低下することでの
持久力の低下
まとめ
持久力の低下と表現しましたが、
実際の球技スポーツの試合では、
マラソン的な持久力以外にも、
ぶつかり合いでの体力の削り合いや、
スプリントや切り返しでの下肢へのダメージなども
引き起こされます。
そういった各要素のバランスを取りながら、
除脂肪体重の増加を目指すのか、
少し抑えるのかを決めていくべきだと
考えられます。
SNSでも配信中